オフィスの会議室のレイアウトと収容人数に応じた最適な寸法を解説
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オフィスの会議室は、社内会議や打ち合わせ、セミナーや研修など、さまざまなシーンで利用されます。そのため、会議室のレイアウトや寸法は、利用目的や収容人数に合わせて適切に選ぶことが重要です。
本記事では、オフィスの会議室のレイアウト事例と、収容人数に応じた最適な寸法を解説します。会議室のレイアウトや寸法選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
オフィスの会議室の1人当たりに必要な寸法は?
オフィスの会議室に必要な寸法を算出するために、まず1人当たりに必要な寸法を考えてみましょう。1人当たりの基準値として、2㎡〜3㎡(0.6坪〜0.9坪)程度が目安になります。
基本的に2㎡〜3㎡(0.6坪〜0.9坪)程度あれば、何か作業を行う場合でも快適なスペースとなり、他の参加者とも適切な距離を保つことができます。 しかし、会議室の目的や用途によってはより広さが必要となることもあります。通路の幅、スクリーンやホワイトボードの配置、テーブルや椅子などの大きさ次第では、会議室に必要な大きさが変わります。
収容人数別の会議室に必要な寸法
小規模会議室:4名〜6名の会議室の寸法
4名〜6名程度の人数を想定した会議室の適切な寸法は、1人当たりの必要な寸法を考慮すると、4名の場合には約8〜9㎡、6名の場合には約12〜18㎡が目安になります。
小規模会議室では通常、対面形式のレイアウトで使用されます。このレイアウトであれば、参加者同士のコミュニケーションが取りやすく、会議を行う目的では十分な広さとなります。ただし、参加者が増えると、やや窮屈に感じることもあるため、テーブルや椅子の選定に際して、それらのサイズを検討することが重要となります。
テーブルや椅子が大きすぎると、着席スペースや通路が制約され、逆に小さすぎると快適に会議に参加できない恐れがあることに留意しましょう。そのため、テーブルや椅子を選ぶ際には、参加者の快適さと効率性の両方を考慮することが肝要です。
中規模会議室:10名〜20名の会議室の寸法
10名〜20名程度の人数を想定した会議室の適切な寸法は、1人当たりの必要な寸法を考慮すると、10名の場合には約20㎡〜30㎡、20名の場合には約40㎡〜60㎡が目安になります。
中規模会議室では通常、コの字型、ロの字型、または学校形式のレイアウトが採用されます。広いスペースを備えた中規模会議室では、会議の目的に応じて柔軟にレイアウトを変更し、また必要に応じて参加人数を増減させることが可能です。
ホワイトボードやプロジェクタースクリーンなどを設置する場合には、通路や着席スペースの確保に注意を払うことが重要です。さらに、座席の配置に気を配り、全ての参加者に適切な視認性が確保され、同じ快適さを提供することも大切です。
大規模会議室:30名以上の会議室の寸法
30名以上の人数を想定した会議室の適切な寸法は、1人当たりの必要な寸法を考慮すると、30名の場合には約60㎡〜90㎡が目安になります。
大規模な会議室は、セミナーや講演会などのイベントに利用されます。また研修会などで複数のグループが分かれてディスカッションを行ったり、入社式や上映会などにも利用されます。レイアウトの形式としては、学校形式、島形式、シアター形式が採用されます。
大規模な会議室をレイアウトする際には、参加者の動線に十分な配慮が必要です。テーブルや椅子の配置の間には適切な位置に一定の間隔で広い通路を確保しておかないと、スムーズな移動ができず、多数の参加者が一斉に出入りする際に支障をきたしたり、また、途中からの参加や退席が難しくなります。このため、大規模な会議室をレイアウトする際には、十分な通路を確保することが不可欠です。
会議室の代表的な定番レイアウト
会議室の代表的なレイアウトにはいくつかの種類があります。代表的なものをいくつか紹介します。
対面形式:ディスカッションに向いている会議室レイアウト
「対面形式」の会議室レイアウトは、参加者がテーブルに向かい合って座るスタイルで、この形式はお互いの距離が近く、発言やコミュニケーションが活発に行える特長があります。このため、報告、意見交換、ディスカッションなど、さまざまな目的で活用されます。会議室の端にスクリーンやホワイトボードを設置することで、簡単なプレゼンテーションなども行うことができます。
ただし、多くの参加者がいる場合、端から端までの距離が遠くなり、声が聞こえにくかったり、スクリーンやホワイトボードの情報が見づらくなるなどのデメリットも存在します。そのため、会議の目的や参加者の人数に応じて、適切なセッティングや配慮が求められます。
コの字型:プレゼンに最適な会議室レイアウト
「コの字型」の会議室レイアウトは、テーブルをコの字の形に配置し、参加者が内側に向かって座るスタイルです。このレイアウトは、会議室の前方にホワイトボードやプロジェクタースクリーンを設置し、プレゼンターが前方でプレゼンテーションや業務報告を行うのに適しています。このスタイルは、発表者から参加者へのメッセージ伝達をスムーズにし、またその後の参加者間のディスカッションも円滑に行えるレイアウトとなります。
ロの字型:適度な距離感で顔合わせをする会議室レイアウト
「ロの字型」の会議室レイアウトは、テーブルをロの字の形に配置するスタイルを指します。このレイアウトは、参加者同士が適度な距離感を保ちつつ、お互いの顔を見ながら円滑なコミュニケーションをとるのに適しています。そのため、定例会議や役員会議など公式な会議などでよく採用されます。
このレイアウトは、中央にスペースが確保されるため、比較的広い会議室を必要とします。
学校形式(スクール形式):セミナーや講演会向けの会議室レイアウト
「学校形式」の会議室レイアウトは、テーブルが学校の教室のような形に配置され、すべてのテーブルと椅子が会議室前方を向き、講師や発表者の話を集中して聞くことができる形式です。そのため、セミナーや講演会、勉強会や研修会、プレゼンテーションなど、1人の講師や発表者が多くの参加者に向けて話をする場面に適しています。
一方、学校形式は参加者同士のコミュニケーションをとりにくいため、グループワークやディスカッションには不向きです。
島形式:グループワークができる会議室レイアウト
「島形式」の会議室レイアウトは、会議室内にいくつかのテーブルの「島」を作り、各島に4名~6名程度が座り、小さなグループを複数形成するスタイルのレイアウトです。
グループワークや少人数でのブレインストーミングを行い、各グループの代表者が全体に対して発表するような形式に適しています。
シアター形式:より多くの人数が参加できる会議室レイアウト
「シアター形式」の会議室レイアウトは、映画館のように、テーブルの代わりに椅子だけを並べたスタイルのレイアウトです。このスタイルは、テーブルの必要がないため、スペースを効果的に使いながら、より多くの人を収容することができます。大規模な入社式、筆記を必要としない講演や上映会などに適しています。
オフィスに会議室を設ける際のポイント
利用者や用途に応じて会議室の場所を決める
会議室の設置場所の選定において、最適な位置は利用者や用途によって変わってきます。来客や一般の参加者を対象とした会議室では、エントランスや共用廊下からのアクセスが容易な場所が適しています。セキュリティ上においても、事務エリアから分離されたエリアが望ましいでしょう。また、セミナーや研修会などマイクでの会話や上映など音響機器の使用が想定される会議室は、周囲に対する音の問題を考慮する必要があります。
一方、機密性の高い重要な会議を行うための会議室は、通常、役員室に近接し、高いセキュリティを確保できる場所が求められます。
社内での通常の会議に使用する会議室は、オフィス内でアクセスが容易で、従業員が日常的に利用しやすい場所に設けることが効果的です。主要な業務エリアや共有スペースの近くに配置することで、従業員が気軽に会議室にアクセスできるようになります。
騒音対策や音漏れ対策を講じる
会議室の設置にあたり、重要な検討事項となるのが騒音と音漏れの問題です。
会議室が執務スペースに隣接している場合、会議中の騒音が周囲の仕事環境に影響を及ぼす可能性があり、従業員の集中力や作業効率に悪影響を及ぼすことがあります。特に、近年はWeb会議の利用が増加しており、通常の会話よりも音量が大きくなりがちなため、騒音対策がより重要になっています。
また、情報漏洩の観点からも音漏れには注意が必要です。機密性の高い会議の内容が外部に漏洩するリスクや、隣の会議室の内容が第三者に聞こえる問題が発生する可能性があります。また、面接などのプライベートな内容が他人に漏洩することも避けなければなりません。
騒音や音漏れを防ぐ方法としては、吸音性の高い素材を壁に使用する、パーテーション内部にグラスウールなどの吸音材を充填する、ランマなどの開口部や隙間を封じる、ドアを高い気密性のものにするなどがあります。これらの騒音対策や音漏れ対策は、従業員の集中力を維持し、作業効率を向上させるために不可欠であり、さらに、情報セキュリティの観点からも十分に検討される必要があります。
法令を遵守する
会議室の設置において、法令を遵守することは極めて重要です。これは従業員や利用者の安全と快適さを確保し、法的規制に従う責任があるからです。具体的には、建築基準法、消防法、労働安全衛生法、障害者差別解消法などの法令を遵守する必要があります。
特に、オフィス内にパーティションを設置して会議室を設ける場合、消防設備(煙感知器やスプリンクラーなど)の増設や移設工事が必要になることがあります。これらの設備の適切な配置は、緊急時に安全を確保し、火災などのリスクに備えるために非常に重要です。
法令遵守は、法的な問題を回避し、従業員や利用者の安全を確保するために不可欠です。会議室を設置する際には、関連する法令について、慎重に確認することが必要です。
まとめ
オフィスの会議室のレイアウトと寸法についての重要なポイントをご紹介しました。会議室の設計において、収容人数、レイアウト、設置場所、騒音対策、法令遵守など多くの要素を考慮する必要があります。これらを適切に検討、設計することで、効果的で生産的な会議やイベントが可能となります。
最後に、会議室はビジネスにおいて非常に重要な場所です。適切な設計と運用によって、コミュニケーションの円滑化や効率の向上に貢献し、組織の目標達成に寄与します。会議室がより使いやすく快適であれば、従業員の満足度も向上し、組織全体の成功につながります。
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一級建築士。国立大学工学部卒業後、中堅ゼネコンへ入社し、2001年に一級建築士を取得。2007年にワンナップクリエイティブサービスへ入社し、17年以上オフィス移転や内装工事に携わり、お客様窓口、設計、現場対応までを総合的にサポートしている。